世界一高い砂糖 ~三奈木砂糖づくり一日体験記~
11月29日土曜、外は冷え込む朝3時、朝倉市三奈木にある加工場の釜に火が入る。
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三奈木地区では、県内でも珍しいさとうきびの栽培と、黒砂糖の製糖が行われている。
11月下旬から12月はじめの数週間だけ行われ、ここで作られる「三奈木砂糖」は、
世界一値段が高いと言われている。1キロ2,100円。普通の白砂糖の約10倍の値段だ。

元来、三奈木地区は製糖業が盛んで、江戸時代は旧藩の特産品として珍重されていた。
しかし戦後、輸入砂糖におされ、徐々に衰退、昭和30年代後半には完全に絶えた。
その後、地元有志により復活。現在は10数名で次世代へと伝統の製法を守り抜いている。

三奈木砂糖は、伝統製法を今に受け継ぎ、再現。1797年発行の木村喜之撰「砂糖製作記」
という古文書の中に、黒砂糖の製造方法が紹介されており、現在の三奈木砂糖の製法は、
その方法と、動力が水車から電力に代わった以外ほとんど同じであるとのこと。

黒砂糖の生産で有名な沖縄の製法と異なり、三奈木砂糖はさとうきびの表皮ごと搾汁機に
かけるため、できあがり後の味には、甘味の中に印象的な苦味やえぐ味が残る。
ひとつひとつの工程を丁寧に重ねたゆえ生まれる自然な味。これが、たまらなく旨い。

■作業工程
1.釜の火をおこす
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2.さとうきびを搾汁機で搾る (網で濾過し、繊維分などの不純物を取り除く)
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3.搾り汁を約100リットルの一番釜に入れる
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4.沸騰したら、布で濾してアクを搾り取る
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5.沈殿桶に移す (不純物を下に沈め、分離させるため)
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6.不純物が下に沈んだら、二番釜に移す
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7.二番釜から三番釜に移す
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8.不純物を網で濾過して、仕上げ釜(四番釜)に入れ煮詰める
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9.釜が焦げないように混ぜ続け、仕上げは長年の勘 (一番砂糖の釜揚げは6時半くらい)
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10.冷やし甕へ入れ、粗熱を取るために混ぜる
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11.冷やすために2~3時間放置する
12.できた砂糖を出荷用容器に入れて作業完了
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今回、現場を見せていただいたのは、長年ここで砂糖づくりを営んできた親戚のおじさん
(嫁のお母さんのお姉さんの旦那さん)がいたから。
できあがるまでの工程をひとつひとつ見学し、ちょっとだけお手伝いをさせてもらって、
技の背景にある歴史の重み、そしてそれを受け継ぐ人の心意気にジーンと感動した。
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搾り立てのさとうきびジュース。甘いけど生々しい味だった。
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できたての三奈木砂糖。まだ温かくて、複雑な甘味の中の苦味が、最高に好き。
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この味を、100年後のこどもたちに残していくために、一体自分には何ができるんやろ。
単純じゃないこの甘味には、単純じゃない歴史がある。正直、もっと高く売ってもいいと思う。
この価値を分かってもらえる人にだけ買ってほしいから。そしたら、大切に食べてくれるよね。
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by sono3106 | 2008-12-09 22:27 | ┗━◇まちづくり
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